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難民とは「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受ける恐れがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの及びこれらの事件の結果として常居所を有していた国の外にいる無国籍者であって、当該常居所を有していた国に帰ることができないもの又はそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを望まないもの」をいいます。
難民の定義は長いのですが、難民申請をする時のポイントは、①人種、②宗教、③国籍、④特定の社会的集団の構成員、⑤政治的意見、の理由で“迫害を受ける恐れがあるという十分に理由のある恐怖を有すること”です。
この「迫害を受ける恐れ」は申請者自らが証拠を集めて伝えなければなりません。
難民認定申請は申請者本人が記入、申請をすることができますが、迫害といえる事実を順番通りに記載するのは難しいことです。母語で書くこともできますが、日本語の方が確実に読んでもらえる可能性が高いと思われます。
難民認定申請書は、インタビューとともに矛盾がないかチェックされる重要な書類ですので、出来事を丁寧に整理して記載する必要があります。
難民認定申請をする人数は増加傾向にありますが、実際に難民認定される人数は非常に少なく、再審査請求をした者を含めても数十人程度です。(他に難民不認定でも人道配慮で日本に滞在できる方もいます。)また国籍も偏りがあります。その背景としては、難民に該当するような「迫害の恐れ」ではなく、自国での借金や、日本での不法滞在を適正なビザにするため等、難民に該当しないような理由での難民認定申請をする者が増加しているためです。
また難民認定申請手続きは長期間に渡り、その間に就労できない場合もあるので注意が必要です。
難民認定申請書は難民認定申請者が入国管理局に出頭して提出します。
難民認定申請書は②のインタビューの際にも矛盾がないか確認される重要な書類ですので、余すところなく記載すること、難民に該当するような出来事を難民調査官が想像できるように具体的に丁寧に記載することが大切です。
難民調査官主導で進められるインタビューがあります。難民調査官、難民認定申請者、通訳人で進められ、弁護士等の第三者が立会いすることは認められません。
難民調査官は難民認定申請者から聞き取った内容を調書にまとめ、難民認定申請者は最後に読み聞かせを受けた調書に署名をします。この調書も難民性の判断に大きな影響を与えるので、読み聞かせの際に誤りはないか、不明な点や異なる事項がないかを確認することが大切です。
在留資格がない難民認定申請者の場合には、在留特別許可の判断も難民認定申請手続きの中でなされることになります。ですから、難民該当性の事情のほかにも日本に滞在すべき何らかの事情が存在する場合は(日本でしか治療ができない等)難民認定申請手続きの中で主張・立証していきます。
在留資格がない難民認定申請者の場合、難民認定申請手続きと退去強制手続きは並行して進みます。難民不認定を再度審査してもらいたい場合や、難民不認定を取り消したい場合には、再審査請求や取消訴訟を行うことができます。その場合には不認定理由の検討が必要になります。
申請
↓
インタビュー(難民審査官による事情聴取)
↓
難民認定・不認定
↓
再審査
↓
訴 訟
しかし行政手続きが終了し、訴訟を提起したとしても更新は認められない扱いとなっています。
前述した「特定活動」では、原則として働くことはできず、働くためには資格外活動許可が必要となります。
仮滞在が許可された者は、退去強制手続きが停止され、収容令書や退去強制令書が発付されることはありません。ただし就労することができません。
もっとも逮捕・摘発され収容された後に、難民認定申請をした場合で、仮放免許可申請をした場合には、仮放免許可申請を行ってもすぐに許可が下りるとは限りません。
これに対して、難民不認定処分であっても人道的配慮措置として在留特別許可が認められる場合に付与される在留資格には「特定活動」や「定住者」があります。
旅券を持っていなかった場合
日本の空港に到着した難民認定申請者の中には有効な旅券ないし査証を持っていない方が少なくありません。そうすると上陸条件に適合しないとの理由で退去命令の対象になったり、退去強制手続きの対象になったりすることになりかねません。そこで、難民と思慮される時には一時的にでも難民に該当する可能性のある者を広く保護するために一時庇護上陸許可を設けています。一時庇護上陸が許可された場合は、一時庇護許可書が交付され上陸が認められます。(上陸機関、収去および行動範囲の制限その他必要と認める条件を付すことができる。)
もし一時庇護上陸が不許可とされた場合には退去強制手続きが直ちに開始されることになり、収容が開始されるだけではなく退去強制令書に基づいて送還されるリスクが生じます。
難民認定申請は、上陸審査を経る前にも可能であり、一時庇護上陸許可申請と難民認定申請を同時に出しても差し支えありません。